金の埋蔵量とは?世界ランキングや残りの採掘量を解説

金の埋蔵量とは?世界ランキングや残りの採掘量を解説

「金の埋蔵量は世界にどれくらい残っているの?」

「金はあと何年で枯渇してしまうの?」

現在、世界に残されている金の埋蔵量は約6万6,000トンとされ、これまで人類が採掘してきた総量の約4分の1しかないと言われています。

限りある資源だからこそ、その希少性が金の価値を支えているのです。

今回は、「埋蔵量と資源量の違い」や「世界の埋蔵量ランキングTOP10」、「日本の金事情」から「あと何年採掘できるのか」まで、わかりやすく解説します。

金への投資や、手元の金の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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金の埋蔵量とは

金の埋蔵量とは

「埋蔵量」とは、今の技術と金相場のもとで、採算を取りながら実際に掘り出せる金の量を指す言葉です。

地中に眠っているすべての金を表す数字ではない、という点がとても重要です。

なぜなら、深すぎる場所にある金や、品位の低い鉱石に含まれる金は、掘り出すためのコストが売却価格を上回ってしまい、現実には回収できないからです。

そのため専門家は、経済的に採掘できる分を「埋蔵量(Reserves)」、存在が確認・推定される総量を「資源量(Resources)」として区別しています。

金価格が高騰すると、これまで採算が合わなかった鉱床も採掘の対象に加わり、埋蔵量は増えていきます。

逆に価格が下がれば、採算割れとなった部分が外れて数字が減ることもあります。

つまり埋蔵量は固定された値ではなく、価格や技術の状況によって毎年見直される目安なのです。

埋蔵量と資源量の違い

金の「埋蔵量」と「資源量」の違いは、簡単に言えば「今すぐ採算を取って掘れるかどうか」の一点にあります。

どちらも地中の金を表しますが、指し示す範囲がまったく異なるのです。

たとえば深い場所や品位の低い鉱石に含まれる金は、掘るコストが売却価格を上回るため、資源量には数えられても埋蔵量には含まれません。

スクロールできます
用語意味採算性の条件おおよその量
埋蔵量(Reserves)今の技術と価格で採算が合う金満たしている約6万6,000トン
資源量(Resources)採掘できない分も含む確認・推定の総量問わない約13万トン以上

両者の量に2倍以上の開きがあるのは、この採算性の線引きが理由です。

そして金価格が上がれば採算ラインが下がり、資源量の一部が埋蔵量へと移り変わります。

つまり両者は別々の固定値ではなく、価格や技術しだいで境界が動く関係にあると理解しておきましょう。

埋蔵量はどのように調査・算出されるのか

金の埋蔵量は、鉱山会社や研究機関が現地調査を積み重ねて算出しています。

一つの推計値だけを信じるのではなく、複数の公的データを確認することが大切です。

その理由は、埋蔵量が地質調査の結果に加えて、金相場や採掘コストといった経済的な条件によって左右されるためです。

主に次のような手順で算出されます。

  • ボーリング(試掘)で地中の鉱脈を確認し、鉱石の純度や広がりを測定します
  • 衛星測量やドローン、AIによる地質予測モデルで新たな鉱脈を発見します
  • 採掘コストと金価格を照らし合わせ、採算が取れる分だけを埋蔵量に算入します

世界的に最も信頼される基準が、米国地質調査所(USGS)が毎年公表する「Mineral Commodity Summaries」です。

この統計は各国の企業や投資家が参考として参照する、金資源の代表的な指標となっています。

世界の金の埋蔵量はどれくらいある?

世界の金の埋蔵量はどれくらいある?

金は世界中に豊富にあるように思われがちですが、実際に採掘できる量は限られています。

ここでは、世界の金の埋蔵量やこれまでに採掘された総量、地球上にどれくらい残されているのかをわかりやすく解説します。

全世界の金の埋蔵量

現在、世界に残されている金の埋蔵量は約6万6,000トンと推定されています。

これは意外にも少ない数字で、金がいかに希少な資源であるかを物語っています。

USGSが2026年に公表した最新データによると、2025年末時点の世界全体の埋蔵量は約6万6,000トンでした。

前年の推計(約6万4,000トン)から増えていますが、これは金相場の高騰で採算ラインが下がり、採掘対象が広がったことが関係しています。

これは、東京ドームに集めたとしてもほんの一角に収まってしまうほどの量です。

限りある貴重な金属だからこそ、投資対象としての魅力や価値が高く保たれていると言えるでしょう。

これまでに採掘された金の総量

人類が有史以来採掘してきた金の総量は、約21万トンにのぼります。

人類が数千年かけて掘り続けてきた量としては意外に少なく、金の希少性の高さがうかがえます。

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のデータでは、2024年末までに採掘された金の地上在庫は約21万6,000トンとされています。

そのうち約47%が宝飾品、約21%が各国の中央銀行の保有、約24%が地金やETFなどの投資として世界に存在しています。

ネックレスや指輪といった身近なアイテムも、この地上在庫の一部を構成しているわけです。

一度掘り出された金は姿を変えながら、ほとんど失われずに受け継がれていく点も大きな特徴です。

地球上に残されている金の割合

これまでに採掘された金と、まだ地中に残る金を比べると、残量はごくわずかです。

すでに大部分を掘り尽くしつつある、というのが正直なところです。

採掘済みの約21万トンに対し、これから採れる埋蔵量は約6万6,000トンほどしかありません。

割合にすると、地球に残された掘れる金は全体のおよそ4分の1程度という計算になります。

区分おおよその量割合の目安
採掘済み(地上在庫)約21万トン約76%
残りの埋蔵量約6万6,000トン約24%

もちろん埋蔵量は今後の技術革新で見直される可能性があります。

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世界の金埋蔵量ランキングTOP10

金は世界各地に眠っていますが、埋蔵量には国ごとに大きな差があります。

金の埋蔵量が最も多い国はオーストラリアで、約1万3,000トンにのぼります。

2位はロシアで約1万2,000トンと、この2カ国が世界をリードしています。

USGSの最新統計をもとにしたランキングは、以下のとおりです。

順位国名埋蔵量(トン)
1位オーストラリア約13,000
2位ロシア約12,000
3位南アフリカ約5,000
4位インドネシア約3,600
5位中国約3,200
5位カナダ約3,200
7位アメリカ約3,000
8位ブラジル約2,500
9〜10位カザフスタン・ウズベキスタン・ペルー各約2,000前後

上位6カ国だけで世界全体の6割以上を占めているのが特徴です。

埋蔵量が多い国に共通する特徴

埋蔵量が多い国には、いくつかの共通点があります。

偶然ではなく、地質や国土の条件がしっかりと関係しているのです。

上位国には、次のような特徴が見られます。

  • 国土が広く、金鉱脈をつくる古い地層や火山活動の痕跡が多く存在します
  • 政府と鉱山企業が連携し、安定した採掘と資源管理の体制を築いています
  • 採掘技術やインフラが発達し、コストを抑えた産出を長期的に続けられます

たとえばオーストラリアの西部には世界的な金鉱が集まり、長年にわたり安定供給を担ってきました。

一方で産出量1位の中国は埋蔵量では下位にとどまり、掘るペースと残量のバランスも国ごとに異なることがわかります。

日本の金埋蔵量

「黄金の国ジパング」と呼ばれた日本には、今も金を産出する鉱山が残っています。

天然の鉱山と、後ほど紹介する「都市鉱山」の両面から、日本の金事情を見ていきましょう。

日本で金が採れる主な鉱山

現在、日本で商業規模の採掘を続けている金鉱山は、鹿児島県の菱刈鉱山ただ一つです。

数は少ないものの、その品位の高さは世界でもトップクラスを誇ります。

菱刈鉱山は住友金属鉱山が運営し、埋蔵量は約250トンと推定されています。

世界の主要鉱山では鉱石1トンから3〜5グラムしか金が採れないのに対し、菱刈鉱山は約20グラムという高純度の鉱石で知られています。

  • 菱刈鉱山(鹿児島県)…国内唯一の稼働金山で、年間約6トンを産出します
  • 佐渡金山(新潟県)…歴史的な金山ですが現在は閉山し、累計産出量は約83トンでした

菱刈鉱山の累計産出量はすでに260トンを超え、佐渡金山の3倍以上に達しています。

日本にも世界に誇れる金鉱脈が存在している点は、大きな魅力だと言えるでしょう。

参考:佐渡島の金山 – 新潟県佐渡市公式ホームページ

「日本は金の埋蔵量世界一」という噂は本当?

「日本は金の埋蔵量が世界一」という話は、条件つきで本当だと言えます。

天然の鉱山ではなく、「都市鉱山」を含めた場合の話です。

都市鉱山とは、使い終えたスマートフォンやパソコンなどの電子部品に含まれる金を、リサイクル可能な資源とみなす考え方です。

物質・材料研究機構(NIMS)によると、日本の都市鉱山に眠る金は約6,800トンで、世界の埋蔵量の約16%に相当します。

これは天然の埋蔵量で世界3位の南アフリカ(約5,000トン)を上回る規模です。

採取源1トンあたりの金
一般的な金鉱石約3〜5グラム
携帯電話(都市鉱山)約280グラム

回収コストの高さという課題は残りますが、日本が有数の金の保有国であることは間違いありません。

参考:わが国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵 | NIMSアーカイブ

金の埋蔵量は増える?減る?

金の埋蔵量は、実は毎年少しずつ変動しています。

掘れば減るはずの資源なのに、統計上はむしろ増える年もあるのが面白いところです。

その理由は、埋蔵量が「今の技術と価格で採算が取れる量」で決まるため、金相場の上昇や技術の進歩によって数字が押し上げられるからです。

埋蔵量が変動する主な要因は以下の通りです。

  • 金価格の高騰…採算ラインが下がり、低品位の鉱床も採掘対象に加わって増加します
  • 採掘技術の強化…深部やコストの高い鉱床も掘れるようになり、対象が広がります
  • 新たな鉱脈の発見…AI探査や地質調査で未発見の金鉱が見つかり、埋蔵量が上乗せされます
  • 価格の下落…採算が合わない部分が外れ、統計上は減少することもあります

2024年末に約6万4,000トンだった埋蔵量が、2025年末には約6万6,000トンへ増えたのも、こうした変動の一例です。

ただし地球にある金の総量そのものが増えるわけではなく、あくまで「掘れる分」の見直しである点には注意が必要です。

金はあと何年採掘できる?枯渇する可能性

金は再生されない有限の資源であり、いつかは掘り尽くされると考えられています。

とはいえ、明日すぐになくなるわけではありません。

その根拠は、残りの埋蔵量を年間の産出量で割った「可採年数」という指標にあります。

残る埋蔵量約6万6,000トンを、年間産出量約3,300トンで割ると、単純計算でおよそ20年という数字が出てきます。

項目数値
残りの埋蔵量約66,000トン
年間の産出量約3,300トン
単純計算の可採年数約20年

「あと20年で枯渇」という情報を見かけるのは、この計算が根拠になっています。

ただし埋蔵量は価格上昇や技術革新で毎年上振れしており、実際にはこの年数が延び続けているのが実情です。

さらにリサイクルによる回収も供給を支えているため、金が完全に消えてしまう可能性は低いと考えられています。

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金の埋蔵量に関するよくある疑問

最後に、金の埋蔵量についてよく寄せられる疑問をまとめました。

金の埋蔵量はなぜわかるのですか?

金の埋蔵量は、地質調査と科学的な推計によって割り出されています。

地面をすべて掘り返さなくても、部分的な試掘によって鉱脈が広がる範囲や純度を測り、統計的に全体の量を推定できる仕組みがあるためです。

具体的には、ボーリングで採取した鉱石を分析し、そこに含まれる金の量から鉱床全体の規模を計算します。

さらに衛星データやAIによる地質モデルを組み合わせ、精度を高めています。

世界中の金をプールに入れるとどれくらいの大きさになりますか?

これまで採掘された金をすべて集めても、オリンピック公式プール約4杯強(約4.5杯分)にしかなりません。

思っていたよりずっと小さい、と驚く方が多い量です。

金は非常に重く、体積に対して質量が大きい金属であるため、これほどの量に収まってしまうのです。

採掘済みの約21万6,000トンを体積に換算すると約1万1,200立方メートルとなり、オリンピック公式プール(約2,500立方メートル)で割ると約4.5杯分になります。

まだ地中に残る埋蔵量約6万6,000トンにいたっては、プール約1杯分ほどしかありません。

プラチナの埋蔵量は金と比べてどれくらいですか?

プラチナの埋蔵量は金よりもさらに少なく、より希少な貴金属です。

プラチナの産出地が南アフリカなどに極端に偏り、有史以来の産出量そのものが限られているためです。

項目プラチナ
埋蔵量約66,000トン約16,000トン
これまでの総産出量約19〜21万トン約7,000トン前後

有史以来の産出量で比べると、プラチナは金の約25分の1しかありません。

産出の多くを南アフリカが占めるため供給が不安定になりやすく、価格変動のリスクにもつながっています。

金はリサイクルでどれくらい供給されている?

金の供給は新規採掘だけでなく、リサイクルによっても支えられています。

掘る量が限られていても、循環によって安定した供給が保たれているのです。

一度採掘された金は劣化せず、宝飾品や電子機器から何度でも回収して再利用できるためです。

WGCによると、2024年のリサイクル金は約1,369トンにのぼり、年間の総供給量のおよそ4分の1を占めています。

供給源2024年の量(目安)
鉱山からの新規採掘約3,600トン
リサイクル(二次供給)約1,369トン

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